介護付き有料老人ホームは定額で介護サービスが受けられます。レクリエーションやサークル活動など施設ごとの特色あふれるサービスも魅力です。充実した介護サービスと自分らしい生活が両方得られるサービスとして多くの方に選ばれています。
この記事では、介護付き有料老人ホームとはどんな介護サービスを提供してくれるのか、かかる費用や入居条件、他の介護施設との違い、どのような基準で選べばよいのかを解説します。
介護施設選びに困っているビジネスパーソンが後悔しない施設選びをお手伝いします。
目次
介護付き有料老人ホームとは?
介護付き有料老人ホームとは、介護保険法で定義される特定施設の一つで、要支援1から要介護5の方、または施設によっては自立している方も入居ができます。
民間施設であることから、公的施設である特養や老健と違い入居一時金が必要なケースや、公的施設と比べると月額費用は高めです。
しかし、公的施設のように入居待ちが長くなることはなく、比較的入居しやすいという利点があります。
また、運営会社が工夫を凝らして医療ケアを手厚くしたりレクリエーションに力を入れたりするなど施設ごとの特色が様々です。
要介護度が上がっても入居継続が容易であることから、終の棲家として選ぶ人も多くなっています。選択肢が多い中で希望に合う施設を探しやすいのが最大のメリットです。
ところで、多くのビジネスパーソンは、このような施設ごとの特徴を理解していない方もいるようです。
みなさまの親や親族等がいざ介護が必要な場面に直面した時のためにも、このような各介護サービスの特徴を知っておきたいところです。
親や親族等の介護、これらは突然直面することがあるからです。
介護保険法での定義
介護付き有料老人ホームは、老人福祉法第 29 条第1項で定義される有料老人ホームの一形態であり、介護保険法8条11項に規定された特定施設にあたるものを指します。
特定施設(老人ホームやグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅等)では入居している要介護者を対象に「特定施設入居者生活介護」を提供しています。提供されるサービス内容は、入浴、排せつ、食事などの介護や日常生活上の世話、機能訓練および療養上の世話などです。
特定施設が特定施設入居者生活介護を行うためには、都道府県による指定を受ける必要があります。
指定を受けるための基準は、厚生労働省が介護保険法に基づいて定めた『指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準』に各都道府県が個別に条件を付加して定めています。
「人員基準」「設備基準」「運用基準」などが詳細に定められているため、施設の質が担保されているので安心です。具体的には以下のようなことが定められています。
人員に関する基準(第175条・第176条)
- 看護職員と介護職員の合計数は要介護者3人に対して1人以上、要支援者10人に対して1人以上
- 看護職員は1人以上確保し、利用者の数にあわせて増員
- 常に1人以上の介護職員を確保
- 機能訓練指導員と計画作成担当者も1人以上配置
設備に関する基準(第177条)
- 居室の定員は原則1人
- 居室を地階に設けてはならない
- 利用者が車椅子で円滑に移動することが可能な空間と構造を有する
運営に関する基準(第178条から第192条)
- 緊急やむを得ない場合を除き身体的拘束等を行ってはならない
- 従業者の資質の向上のため研修の機会を確保
- 利用者の病状の急変等に備えるため協力医療機関を定める
- 利用者に提供した具体的なサービスの内容等の記録を整備し2年間保存する
(参考:e-Gov法令検索 『指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準』より)
(参考:e-Gov法令検索 『老人福祉法』より)
(参考:e-Gov法令検索 『介護保険法』より)
介護付き有料老人ホームのサービス内容
介護付き有料老人ホームで提供しているサービスをご紹介します。
サービス内容 | 具体例 |
---|---|
介護サービス | 食事や入浴、排せつの介助など |
健康管理 | 服薬管理や医療行為、協力医療機関による緊急対応など |
生活支援 | 掃除や洗濯、買い物の代行など |
食事 | 嚥下機能にあわせた食事の提供など |
リハビリ | 機能訓練やリハビリ、脳トレなど |
レクリエーション | 季節のイベントや趣味の教室、サークル活動など |
看取り介護 | 自分らしい最期を迎えるサポートなど |
※看取り介護は施設によります。
民間企業が運営していることから、特色あるサービスを打ち出している施設も多くなっています。
たとえば、「医師や看護師を常駐させて医療レベルを上げる」「豪華で快適な居住環境を提供する」「豊富なレクリエーション活動を行う」などの取り組みがあります。
介護付き有料老人ホームの入居条件
入居にあたっては年齢や要介護度に条件があります。年齢条件は基本的には60歳または65歳以上です。
受け入れ可能な要介護度により、「介護専用型」「混合型」、また施設数は少ないですが「自立型」の3タイプに分けられます。
タイプ | 入居対象者 | 自立 | 要支援1~2 | 要介護1~5 |
---|---|---|---|---|
介護専用型 | 要介護1以上 | 入居× | 入居× | 入居〇 |
混合型 | 要介護度は問わない | 入居〇 | 入居〇 | 入居〇 |
自立型 | 自立のみ | 入居〇 | 入居× | 入居× |
また、施設によっては以下のような入居条件を挙げている場合があります。
【施設毎に設定されることがある入居条件の事例】
- 認知症ではないこと
- 入居にかかる費用の支払い能力があること
- 身元保証人や身元引受人がいること
条件はさまざまであり、施設によっては認知症の方や生活保護を受けている方も入居可能です。身元保証人に関しては必須としていない施設もあるとともに、民間の身元保証人代行サービスを利用するという方法もあります。
介護付き有料老人ホームにかかる費用
介護付き有料老人ホームは、特別養護老人ホームに比べてお金がかかるというイメージを持たれがちですが、実際どうなのか確認していきましょう。
入居時の費用の内訳
入居時には家賃の前払いにあたる入居一時金を支払います。提供しているサービスや立地などの条件をもとに算出され、0円から数千万円まで幅があるのが特徴です。
入居一時金が0円の場合は月額利用料が高くなる施設もありますので、中長期的な資産状況をふまえて慎重に施設選びをしましょう。
入居一時金は前払いした家賃にあたるため、毎月少しずつ償却されます。償却が終わる前に施設を退去する場合は、残額の返還請求が可能です。
なお、権利金や礼金などの授受は禁止されています。
月額費用の内訳
月額費用はおおよそ15万円から35万円程度かかる施設が多く、「介護サービスに関わるもの」と「生活に関わるもの」の大きく2つに分けられます。
介護サービスに関わる費用は要介護度によって決まり、毎月定額です。
口腔衛生などの特別なサービスを提供している場合、サービス加算が付きます。また、基準より人員配置が手厚い場合は上乗せ介護費が発生します。
生活に関わる費用は主に家賃や管理費、食費などです。おむつなどの生活用品代や医療費、趣味やサークル活動にかかる費用なども含まれます。
施設によって金額に幅があり、特別養護老人ホームなどに比べて金額は高くなりがちです。
自己負担額
介護サービスに関わる費用は定額であり、要介護度により自己負担額が決定します。
どこの施設に入居しても金額は変わりませんが、地域区分をもとにした上乗せ加算があるため、地域によって差異があります。
金銭的な負担を軽減する方法として扶養控除や障害者控除も有用です。申請することでご家族の税金を減額できる可能性があります。
また、対象となるケースが限定的ではあるものの、医療費控除を利用できる場合もあります。
介護付き有料老人ホームのメリットは?
介護付き有料老人ホームを選ぶメリットをご紹介します。ご希望に合った施設探しにお役立てください。
【介護付き有料老人ホームを選ぶメリット】
- 一定水準を満たしたサービス
- 終身利用可能
- レクリエーションなどが多く楽しい
- 特養よりも入居しやすい
- 希望に合う施設を選びやすい
メリット①一定水準を満たしたサービス
厚生労働省が定めたものに都道府県が条件を付加して、人員基準や設備基準を決定しています。
基準を満たした施設だけが介護付き有料老人ホームを名乗れることから、どの施設を選んでも一定水準以上のサービスが受けられます。
メリット②終身利用可能
施設により違いはあるものの、自立から要介護5まで幅広い方が入居できます。要介護度が上がっても他の施設に移らなくてもよく、終身利用が可能です。
何度も施設探しをする手間がなく、慣れ親しんだ場所で最期を迎えられます。
メリット③レクリエーションなどが多く楽しい
レクリエーションやイベントなどが豊富であるため、日々の生活を楽しめます。生活の質が向上し、生きがいの創出にもつながるでしょう。
施設ごとに特色があるので、好みや興味にあわせて選べるのもポイントです。
メリット④特養よりも入居しやすい
公的施設である特別養護老人ホームは比較的安価に利用できることもあり人気です。エリアによっては、入居待ちの方が多くなかなか入居出来ない事もあります。
その点、介護付き有料老人ホームは対応している要介護度も幅広く、入居しやすいのが特徴です。
メリット⑤希望に合う施設を選びやすい
民間企業が運営していることもあり、医療水準を高くしていたり、レクリエーションに力を入れていたり、施設によってさまざまな特色があります。
人によって重視したいことは異なるため、希望に合う施設を探しやすいといえるでしょう。
介護付き有料老人ホームのデメリットは?
介護付き有料老人ホームのデメリットについてもご説明します。デメリットについても正しく理解することで、後悔のない選択に活かせます。
【介護付き有料老人ホームのデメリット】
- 費用が高め
- 施設数が多くて迷う
- 介護サービスが定額制
- これまでの介護事業者が利用できない
デメリット①費用が高め
介護付き有料老人ホームは民間施設であるため、特別養護老人ホームなどの公的施設と比べると費用は高めです。
特養では不要な入居一時金が、介護付き有料老人ホームでは入居一時金を求められる施設もあり、月額利用料も特養の2倍近くかかるケースも見られます。
デメリット②施設数が多くて迷う
施設数が多いというのは、施設を探す人にとってはメリットでもありますがデメリットでもあります。
介護業界に詳しくない方、とくにはじめて身内の介護の世話をするビジネスパーソンにとっては、選べる施設が多い事でどこを選べばよいか分からなくなり、自分の選択を後悔してしまう可能性もあるからです。
ビジネスパーソンの方が、親や親族の介護に直面して、いざ施設を探そうとするときにこのような事が起こるようです。
デメリット③介護サービスが定額制
介護付き有料老人ホームでは介護サービスにかかる費用は、要介護度に応じて定額で請求されます。
住宅型有料老人ホームのように使った分だけ請求されるわけではないため、利用が少ない人には割高になる場合もあります。
デメリット④これまでの介護事業者が利用できない
基本的に施設の職員が介護にあたるので、これまで使っていたデイサービスなどが使えなくなります。
慣れ親しんだ介護事業者にケアしてもらえなくなることは、人によってはストレスになる場合もあるでしょう。
他の介護施設サービスとの違い
介護施設は入居条件や介護サービス提供の有無、民間施設か公的施設かなどにより分類されます。最適な施設を選べるよう情報をまとめました。
介護施設サービス | サービス内容 | 利用目的 | 入居対象者 | 要介護度 | 費用 | スタッフ | 施設の雰囲気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 介護、健康管理、生活支援、レクリエーションなど | 介護 | 60歳か65歳以上 | 自立~要介護5 | 高め | 介護職員常駐、看護師配置など | レクなどが多く楽しい |
特別養護老人ホーム | 介護、健康管理、生活支援、機能訓練など | 介護 | 65歳以上 | 要介護3以上 | 安め | 医師配置、看護師配置など | 老人ホームに近い※2 |
住宅型有料老人ホーム | 外部の介護サービス、生活支援など | 生活支援 | 60歳か65歳以上 | 自立~要介護5 | 高め | 管理者以外は義務ではない | レクなどが多く楽しい |
サービス付き高齢者向け住宅 | 安否確認、日常生活支援など | 安否確認、生活相談 | 60歳以上 | 自立※1 | 安いが介護サービスなどはない | 指定職種のうち1名日中常駐、条件により免除 | 一人暮らしに近い |
介護老人保健施設 | リハビリ、介護、生活支援など | 在宅復帰のためのリハビリ | 65歳以上 | 要介護1以上 | 安め | リハビリ専門、スタッフが豊富、医師が常勤 | 病院に近い |
※1 サービス付き高齢者向け住宅は自立の方を基本としていますが、要介護の方でも入居できます。
※2 特養は老人ホームより要介護度が高い方が多いため、老人ホームの方がより活発な雰囲気になります。
特別養護老人ホームとの違い
特別養護老人ホーム(いわゆる特養)は公的施設であり、入居一時金がなく、月額の費用も安く抑えられています。
そのため、エリアによっては入居希望者が多くなかなか入居できないのが現状です。
平成 27年4月から入居条件が原則要介護3以上となったので、要介護度の低い方は入居できません。
比べると、介護付き有料老人ホームは費用が高めであるものの、比較的入居しやすくレクリエーションなどの楽しみも多いのが特徴です。

特別養護老人ホーム(いわゆる特養)は、要介護3~5の要介護者が入居でき、一般的には民間の介護施設よりも入居費用を抑えられるのが特徴です。 この記事では特別養護老人ホームがどんな介護施設なのか、サービス内容や入居費用、そして入居までの流れなどを細かくご紹介します。 高齢化を背景とした法令を...
特別養護老人ホーム(いわゆる特養)は、要介護3~5の要介護者が入居でき、一般的には民間の介護施設よりも入居費用を抑えられるのが特徴です。 この記事では特別養護老人ホームがどんな介護施設なのか、サービス内容や入居費用、そして入居までの流れなどを細かくご紹介します。 高齢化を背景とした法令を...
住宅型有料老人ホームとの違い
同じ有料老人ホームであり入居条件や入居一時金、住居費などにほとんど差異はないものの、介護サービスの提供方法に大きな違いがあります。
介護付きでは施設内の職員が介護サービスを提供し、費用は月額定額制になります。
一方で、住宅型では外部の介護事業者が各種介護サービスを提供し、その費用はご利用した分だけ請求される仕組みとなっております。

自立した生活を送りながら、日常生活などのサポートが必要な方には住宅型有料老人ホームがおすすめです。要介護度が低い方がご入居されるケースが多いようです。 この記事では住宅型有料老人ホームで受けられるサービスや費用、メリット・デメリットについて解説します。 施設選びのポイントを紹介していきま...
自立した生活を送りながら、日常生活などのサポートが必要な方には住宅型有料老人ホームがおすすめです。要介護度が低い方がご入居されるケースが多いようです。 この記事では住宅型有料老人ホームで受けられるサービスや費用、メリット・デメリットについて解説します。 施設選びのポイントを紹介していきま...
サービス付き高齢者向け住宅との違い
サービス付き高齢者向け住宅はその名の通り介護施設というより住宅という位置付けです。
介護サービスは提供していないものの安否確認と生活相談は義務付けられているため、「元気で自立しているが一人暮らしに不安を感じている」という方が多く利用しています。
要介護になっても外部サービスを活用しながら住み続けられますが、要介護度の高まりや認知症の発症などにより転居する方もいます。
介護老人保健施設との違い
介護老人保健施設(いわゆる老健)は特養と同じ公的施設であり、常駐の医師や看護師など専門職の指導のもと、在宅復帰を目指してリハビリに取り組みます。
目的はあくまで在宅復帰であることから入居期間は短く(一般的には最長6か月まで)、3か月に1回入居継続をするか否か判断します。
入居一時金はなく月額費用も安めですが、特養ほどではないものの入居待ちが多くなっています。
※現実的には入居期間が半年を超えるケースも見受けられます。

介護老人保健施設(いわゆる老健)とは、要介護1以上の高齢者が自宅復帰を目指すための介護保健施設で、おもに「医療ケア」「リハビリテーション」「介護サービス」「認知症ケア」などを行います。 医療ケアでは、医師や看護師が常駐し、健康状態の管理をしてもらえ、かつ病状の変化が有った場合でも迅速に対応出来...
介護老人保健施設(いわゆる老健)とは、要介護1以上の高齢者が自宅復帰を目指すための介護保健施設で、おもに「医療ケア」「リハビリテーション」「介護サービス」「認知症ケア」などを行います。 医療ケアでは、医師や看護師が常駐し、健康状態の管理をしてもらえ、かつ病状の変化が有った場合でも迅速に対応出来...
介護付き有料老人ホームを選ぶときのポイント
介護付き有料老人ホームを選ぶ際のポイントをご紹介します。看取りまで過ごす可能性がある場所なので、後悔しないようにしっかり検討しましょう。
【介護付き有料老人ホームを選ぶポイント】
- 介護や医療の体制を確認する
- 入居者の趣味・趣向に合う施設を選ぶ
- 施設の方針や職員の雰囲気を見る
- 無理なく支払える範囲に費用を収める
- 通いにくい立地は避ける
ポイント①介護や医療の体制を確認する
人員基準や運営基準が定められてはいるものの、施設によっては基準よりも手厚い体制を敷いているところもあります。
「24時間看護師常駐」「理学療法士や作業療法士によるリハビリを提供」「口腔ケアを提供」など、施設ごとにさまざまな特色がありますので、希望にあった体制をとっているところを探しましょう。
ポイント②入居者の趣味・趣向に合う施設を選ぶ
レクリエーションやイベントに力を入れている施設も多く、日々の楽しみになるとともに認知症予防などにも一役買います。
カラオケや囲碁将棋、園芸などのサークル活動が盛んであったり、理美容サービスを提供していたりする施設も豊富です。
趣味趣向に合うところを選ぶことにより、入居後の人生をよりいっそう楽しめるようになります。
ポイント③施設の方針や職員の雰囲気を見る
施設運営のベースとなる基準は国や自治体に定められているといっても、運営方針や職員の雰囲気は施設によって千差万別です。
どれだけ施設が整っていても、人間関係が悪ければ居心地は悪くなってしまいます。
人間関係には相性の問題もあるため、見学や体験入居などを活用して施設や職員の雰囲気をしっかり確認することをおすすめします。
ポイント④無理なく支払える範囲に費用を収める
同じ介護付き有料老人ホームでも、かかる費用には幅があります。サービスが充実していたり、施設や立地が良かったりすれば高くなる傾向です。
いつか看取りをしてもらう日まで長年にわたってお世話になる可能性も高いため、今現在だけでなく中長期的に見ても無理なく支払える範囲に費用を収めるとよいでしょう。
ポイント⑤通いにくい立地は避ける
ご家族がいらっしゃる場合には立地も重要になります。ご家族の自宅から遠かったり、交通の便が悪いと、面会の頻度が下がってしまうためです。
ご家族との面会は入居者様にとって大きな楽しみとなるため、通いにくいところは避ける方が良いでしょう。
介護付き有料老人ホームへの入居から退去までの流れ
入居から退去までの流れを順を追って説明します。流れを知れば、慌てたり大切なことを漏らしたりすることなく進められます。
【STEP.1】希望条件の整理と施設選び
施設選びを始めるにあたり、まずは求める条件を整理することが重要です。
最初に整理しておけば後になって失敗したと悔やむこともなく、施設選びの時間も短縮できます。情報収集には介護施設を紹介する情報サイトを活用すると便利です。
【STEP.2】資料請求と見学
気になる施設を見つけたら資料を請求したり見学したりして、候補を絞り込んでいきましょう。
見学の際は、確認したいことや質問したいことをあらかじめ確認しておくとスムーズです。施設によっては体験入居できるところもあります。
【STEP.3】入居申し込みと面談
入居するご本人だけでなくご家族も交えてしっかり話し合い、入居施設の決定と申し込みを行います。
契約まで1か月ほどかかるので、その間に健康状態などを確認する面談を行ったり、契約に必要な書類や入居一時金を準備したりします。
【STEP.4】契約と入居
面談の結果などをふまえて入居審査に通過したら、契約の手続きに進みます。契約にあたっては戸籍謄本や健康診断書などさまざまな書類が必要です。
また、契約書や重要事項説明書など大切な書類を取り交わすため、しっかり内容を確認しましょう。
【STEP.5】施設での生活と退去
施設では体調や介護の必要性などを定期的に確認しながら、一人ひとりにあった生活環境を提供し、看取りまで行います。
身体状況の変化などの理由により途中で退去する場合は、入居一時金の精算や居室の原状回復などを行います。
ビジネスパーソンのみなさまへ
介護付き有料老人ホームなら定額でしっかり介護が受けられます。
多種多様な施設の中から好みに応じて最適なところを選べるのも嬉しいポイントです。特徴をあらためてまとめると以下になります。
【介護付き有料老人ホームのポイント】
- 施設内で介護サービスを定額で提供
- 60歳または65歳以上が対象で、自立から要介護5まで幅広い方が入居可能
- 入居一時金と月額費用が必要で金額は施設により異なる
- 一定水準以上のサービスが受けられ、レクリエーションなども楽しめる
- 公的施設より費用が高めで、特色ある施設が多い分選ぶのが難しい
- 介護や医療の体制、サービス内容、施設の雰囲気、費用などをよく確認してから選ぶ
みなさまの親や親族がいざ介護が必要になった時、その親や親族の方々の多くは自宅での生活、つまり通所介護や訪問介護といった自宅にいながら介護サービスを受けることを希望されます。
長年住み慣れた環境を変える事には抵抗があるのは当然です。また、通所介護や訪問介護といった、いわゆる居宅系介護サービスをご利用される方が、施設に入居するよりも費用は抑えられることも魅力なのかもしれません。
一方で、ビジネスパーソンのみなさまにとっては、親や親族等が介護付き有料老人ホームのような施設に入居することで、日々の生活をしっかりとサポート頂けることで大きな安心感を得られることが出来るのです。
日々の食事や日々の健康チェック等、これらを介護のプロにお任せ出来ることで、安心して日々の会社生活を送れるのではないでしょうか。