夜間対応型訪問介護とは?サービス内容や費用、メリット・デメリット、選ぶポイントをご紹介

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遠方でひとり暮らしをしている高齢の親御さんがいる方、介護をしながら深夜まで仕をしている方や子育てをしている方などにとって、夜間対応型訪問介護は自分のライフスタイルを守りながら介護の負担が軽減できる大変にありがたいサービスです。

ここでは夜間対応型訪問介護についてわかりやすく解説いたします。

夜間対応型訪問介護とは?

夜間対応型訪問介護は、利用者が可能な限り住み慣れた自宅で24時間安心して自立した生活が送れるよう夜間訪問してくれます。
夜間の時間帯(18:00~6:00)に訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅に訪問して生活介助などの介護サービスが受けられるサービスです。

また、夜間対応型訪問介護には、介護スタッフが定期的に訪問する「定期巡回訪問サービス」と、利用者から通報を受けて都度訪問する「随時対応サービス」の2種類があります。

【定期巡回訪問サービス】
夜間帯に訪問し、食事や入浴、排せつや安否確認などのサービスが受けられます。

夜間とは午後10時~午前6時までを含む時間帯のことを指すのですが、多くの事業所はこの夜間の時間帯を含んだ午後6時~午前8時までをサービス提供時間として設定しています。

【随時対応サービス】
夜間に体調が悪化した、ベッドから転げ落ちたなどの緊急時に訪問介護員を呼んで介助を受けたり、救急車の手配をしてくれたりといったサービスが受けられます。

1回の訪問は30分が目安となっており、サービス時間帯内であれば何度でも利用できます。

介護保険法での定義

介護保険法に基づいた夜間対応型訪問介護の定義について説明いたします。
まずは条文をご紹介いたします。

第1章第8条16
この法律において「夜間対応型訪問介護」とは、居宅要介護者※1について、夜間において、 定期的な巡回訪問により、又は随時通報を受け、その者の居宅において介護福祉士その他第二項の政令で定める者(実務者研修修了者、初任者研修修了者、旧介護職員基礎研修、旧訪問介護員1級、旧訪問介護員2級)により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの(定期巡回・随時対応型訪問介護看護※2に該当するものを除く。)をいう。

(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)引用)

※1 要介護認定で「要介護1〜5」に認定されている方。要支援や自律の方は利用できません。
※2 夜間だけでなく日中・夜間の両方訪問介護が受けられるサービス。

要介護者が在宅で可能な限り自立した生活を送れるよう、24時間体制でサポートするサービスの1つです。
しかし注意点として、要介護認定で要介護1〜5に該当する方を対象としており、「要支援1~2」、「自律」の方にはこのサービスが受けられません

その他、冒頭でも触れた通り、サービスには「定期巡回訪問サービス」と「随時対応サービス」の2種類あります。

定期巡回訪問サービスはあらかじめケアプランで決められた通りに自宅に訪問します。

対して、随時対応サービスはケアコール端末からの通報に応じて介護職員が臨時で対応します。
ケアコール端末とはボタンを押すだけなどの簡単な操作で事業所につながる機器のことです。

夜間対応型訪問介護のサービス内容

「定期巡回訪問サービス」と「随時対応サービス」の具体的なサービス内容をご紹介します。

サービス内容
定期巡回訪問サービス
  • 食事、入浴、排せつなどの生活介助
  • 安否確認
  • 1回の訪問につき30分が目安。必要に応じて延長も可能
  • 介護に必要のない家事、来客対応、ペットの世話、草むしり、正月の準備などは 対象外
随時対応サービス
  • ベッドから転落して自力で起き上がれない時や夜間に急に体調が悪くなった時などに訪問介護員を呼んで介助を受ける
  • 緊急時に救急車の手配をしてもらう。
  • ボタン一つで簡単に操作できるケアコール端末で直接事業所に連絡ができる
  • 事業所は必ず訪問看護ステーションや主治医との連携を確保している

夜間対応型訪問介護の利用条件

サービスの利用に関しては以下の条件がございます。

  • 要介護認定で要介護1〜5に認定されていること。
  • 利用する事業所は利用者がお住まいの市区町村と同一であること。
  • 要介護認定で「自立」もしくは「要支援1〜2」に認定されている方は対象外。
  • グループホームや有料老人ホームといった施設に入所されている方や、小規模多機能型居宅介護やショートステイを利用している方は対象外。

夜間対応型訪問介護にかかる費用

オペレーションセンターの有無によって基本料金に応じてサービスの内容が変わってきます。
基本料金に「定期巡回」や「随時訪問」の利用回数分の料金が加算されます。

サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1回につき)
オペレーションセンターを設置している場合 基本夜間対応型訪問介護 (1月につき)1,025円
定期巡回サービス (1回につき)386円
随時訪問サービス
(1名による訪問の場合)
(1回につき)588円
随時訪問サービス
(複数名による訪問の場合)
(1回につき)792円
オペレーションセンターを設置していない場合 (1月につき)2,800円

※オペレーションセンターとは利用者からの通報を受けるセンターです。

月額費用の内訳

月額費用は、オペレーションセンターを設置する事業所を利用する場合と、設置しない事業所を利用する場合とで利用料金が異なりますのでご注意ください。

オペレーションセンターを設置する事業所を利用する場合は、月額基本料金に、訪問回数ごとに加算された料金を支払います。

そしてその場合、ひと月につき基本夜間対応型訪問介費用が発生し、定期巡回サービスや随時訪問サービスなどの利用回数ごとに加算されていきます。

オペレーションセンターを設置しない事業所を利用する場合は月額定額制となっております。その場合、ひと月につき2,800円です。

自己負担額

上記表では自己負担額1割で記載していますが、一定以上の所得がある人は所得に応じて2割、3割負担となります。

また、お住まいが地域のどの等級(1級地〜 7級地、その他)に属しているかによっても負担額が異なります。

夜間対応型訪問介護のメリットは?

それでは夜間対応型訪問介護を利用することによりどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
夜間対応型訪問介護には多くの利点があり、上手に利用することにより利用者や家族にとって生活の質の向上に大きく役立ちます。

安心感の提供

大きなメリットとして、利用者本人や離れて暮らす家族にとって夜間の訪問介護は安心感が得られます。

緊急対応

ケアコール端末により急な体調不良や事故に迅速に対応できます。

なお、ケアコール端末の貸与料、設置料、保守料などの利用者による費用負担はありません。

睡眠のサポート

夜間のトイレ介助や体位変換を行い、利用者の快適な睡眠をサポートしてくれます。

精神的安定

利用者が夜間も一人ではないと感じることで、精神的な安定が得られます。

医療対応の補助

夜間の服薬管理や医療機器の使用をサポートしてくれます。

夜間対応型訪問介護のデメリットは?

夜間対応型訪問介護のメリットを説明いたしましたが、反対にどのようなデメリットがあるのか説明いたします。

デメリットを上手に理解することで利用者に合ったサービスの選択に重要な役割を果たします。

費用が高い

夜間のサービス提供はご利用やそのご家族にとって便利である反面コストが高く、利用者にとって経済的な負担になることがあります。

サービスの質のばらつき

夜間のサービス提供は日中よりも質にばらつきが出やすく、利用者満足度が低下することがあります。

居住している市区町村に事業所がない場合は利用できない

地域密着型サービスのため、お住まいの地域に事業所がないと利用できません。

利用時間が限定されている

夜6時から朝の8時までと時間が限られている。もし日中も継続して利用したい場合はさらに料金が加算されます。

*夜間とは午後10時~午前6時までを含む時間帯のことを指しますが、多くの事業所はこの夜間の時間帯を含んだ午後6時~午前8時までをサービス提供時間として設定しています。

他の介護サービスとの違い

夜間対応型訪問介護、訪問介護、訪問看護、 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の各サービス内容をわかりやすく下記の比較表にまとめています。

夜間対応型訪問介護 訪問介護 訪問看護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
保険の種類 介護保険 介護保険 介護保険 介護保険
提供時間 夜間(18:00~8:00) 日中(8:00~18:00)
(1回につき20分未満~1時間半)
24時間
(1回30分以上90分未満。90分以上は保険適用で長時間訪問看護加算あり)
24時間
監督先 市区町村 都道府県 地方厚生(支)局 市区町村
サービス内容 身体介護や生活援助。
夜間に介護が必要な方、認知症の方など。
身体介護や生活援助、通院時の乗車・降車等介助など。
介護のニーズに合わせて提供。
身体介護や生活援助に加えて医療的なケア、リハビリなど。 身体介護や生活援助、通院時の乗車・降車等介助など。
24時間一貫した介護ケア、訪問看護と合わせて利用できる。
利用対象者 生活介助が必要なひとり暮らしや老々介護の高齢者世帯など。 65歳以上の方で、要支援・要介護と認定され、
医師が必要であると認めた人など。
65歳以上の方で、要支援・要介護と認定され、
医師が必要であると認めた人など。
生活介助が必要なひとり暮らしや老々介護の高齢者世帯など。
料金 1回ごとに料金が発生。
利用回数が増えるごとに料金が加算される。
夜間介護に比べて割安。 訪問介護より割高。 他のサービスに比べて割高。
訪問看護を利用する場合はさらに高額になるが、利用回数が増えても月々一定額。

訪問介護との違い

夜間対応型訪問介護と訪問介護の違いを、サービス内容、利用目的、利用対象者、費用の点で比較してみましょう。

サービス内容

大きな違いは利用できる時間帯です。

利用可能時間
夜間対応型訪問介護 夜18:00~朝8:00
訪問介護 朝 8:00~夜18:00

また、夜間対応型訪問介護では要支援者の利用はできませんが、訪問看護では要支援者も利用できます。

利用目的

訪問看護では日中の介護が目的なため、夜間の利用はできません。

利用対象者

訪問介護は日中介護できる家族がいない場合や老々介護の世帯などが 対象です。

費用

夜間対応型訪問介護の場合、オペレーションセンターの設置の有無でできるサービスが変わってくるため、料金(表1を参照)も変わってきます。

一方、訪問介護では以下となります。
夜間対応型訪問介護と比べて比較的利用しやすい料金帯で設定されています。

サービス サービス利用時間 利用者負担(1割)
身体介護 20分未満 167円
20分以上30分未満 250円
30分以上1時間未満 396円
1時間以上1時間半未満 579円
生活援助 20分以上45分未満 183円
45分以上 225円
通院時の乗車・降車等介助 99円

(※参考サイト:厚生労働省『訪問介護(ホームヘルプ)』)

訪問看護との違い

夜間対応型訪問介護と訪問看護の違いを、サービス内容、利用目的、利用対象者、費用の点で比較してみましょう。

サービス内容

訪問看護は訪問介護のサービスに加えて、医療的なケア、リハビリなどが受けられます。

利用目的

利用者本人や家族の思いに沿った在宅療養生活の実現に向けて、専門性を発揮し、健康の 維持・回復など、日常生活の質向上ができるように、予防から看取りまで支えます。

在宅 の要支援者・要介護者等に認定された人に対して訪問看護師等がお住まいに訪問します。

利用対象者

65歳以上の方で、要支援・要介護と認定され、医師が必要であると認めた人です。

費用

指定訪問看護ステーションの訪問看護(介護保険)の料金は以下となります。

利用時間 利用者負担(1割)
20分未満
(週に1回以上、20分以上の保健師又は看護師による訪問を行った場合算定可能)
314円
30分未満 471円
30分以上1時間未満 823円
1時間以上1時間30分未満 1,128円
1時間30分以上の訪問看護を行う場合 1,428円
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の場合 294円

(※参考サイト:厚生労働省『訪問看護』)

定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違い

日中や夜間などの限定した時間だけでなく、24時間を通して介護と看護ケアが受けられるサービスです。詳しく見ていきましょう。

サービス内容

24時間一貫した介護ケアや訪問看護と合わせて利用できます。

利用目的

生活介助が必要なひとり暮らしや老々介護の高齢者世帯などが24時間安心して自立した生活が送れるように介護と医療の両面からサポートします。

利用対象者

生活介助が必要なひとり暮らしや老々介護の高齢者世帯の方を対象としています。

費用

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の料金は以下となります。

要介護度 訪問看護を利用する場合 訪問看護を利用しない場合
要介護1 9,593円 6,658円
要介護2 14,035円 11,100円
要介護3 20,704円 17,769円
要介護4 25,147円 22,212円
要介護5 30,389円 26,654円

(※参考サイト:厚生労働省『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』)

夜間対応型訪問介護を選ぶときのポイント

利用者とスタッフとの相性はもちろんですが、信頼できて緊急の時にもすぐに駆け付けてくれるかを見極めることが大切です。

以下のチェックポイントを参考にしてください。

【1. 地域で評判の良い事業者か】
利用者やその家族の話や、口コミ情報などを確認してみましょう。

【2. 専門性の高さ】
医療や介護知識などの専門性の高さを確認してみましょう。

【3. サービスの質を確認】
時間通りにサービスがおこなわれ、充実した内容かこまめにチェックしてください。
また、個人情報やプライバシー保護にしっかり対応しているかどうかにも注意しましょう。

【4. 要介護者のストレスや介護者の負担が軽減したか】
利用して状況が改善されないようでしたら、ケアマネージャーへの相談や事業者の変更を検討してみましょう。

夜間対応型訪問介護を利用するまでの流れ

利用開始までの具体的な流れを見ていきましょう。

【STEP.1】ケアマネージャーに相談

担当のケアマネジャーがまだいない方は、地域包括支援センターに相談しケアマネジャーの選定が必要です。

【STEP.2】ケアプランの作成

ケアマネージャーとどんなサービスが必要か話し合ってから事業所を選定し、ケアマネージャーがケアプランを作成します。

【STEP.3】契約してからサービス利用開始

サービス内容や注意事項などをしっかりと確認してから契約しましょう。

ビジネスパーソンのみなさまへ(まとめ)

夜間対応型訪問介護と合わせて複数の訪問サービスを紹介いたしました。

夜間の定期訪問の他、ケアコール端末により緊急時の対応がスムーズであることが夜 間対応型訪問介護の大きなメリットに挙げられます。

夜間だけでなく、24時間介護が必要な方、医療行為が必要な方には訪問看護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護なども選択肢に含めるのがおすすめです。

費用や要介護者・その家族のニーズに合わせて最適なサービスを選択することが大切です。

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ケアコンパス編集部

ケアコンパス編集部

ケアコンパスは、日本の超高齢化社会において今後増えるであろうビジネスケアラーのみなさまのために、介護リテラシーの底上げを目指します。 ビジネスケアラーのみなさまの介護の悩み・課題を解決するためのコンテンツを随時発信していきます。

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